「え? 新見さん? すっごく綺麗……」


颯くんの陰から現れた女性を見て、私は思わず目を見張った。

高校時代より伸びたストレートの髪は腰近くまである。

細い体のラインを強調するような黒のタンクトップワンピース。胸元に飾られた真珠のネックレス。
まるで女優さんみたい。


「そうですか? 化粧の力ってやつですよ。葉山先輩こそ相変わらずカワイイですね」

「や、私なんて全然」


って謙遜じゃなくホントにそうだよ。
颯くんと新見さんが並んでいると、まるでテレビの中の世界みたい。


「……これで会話が怖くなきゃいいんだけどな」


ボソリ、智が言う。


「化けたでしょー? 女って詐欺師ですよね」

「天然ホストみたいな奴に言われたくないわ」


会話はどす黒いのに絵面はキラキラしている。
でも二人揃うと纏っている空気すらなんか凄いや。


「颯、皆を静かにさせてきて。揃ったところで主役登場よ」

「んー」


颯くんが戻っていき、新見さんは改めて、という感じで私達を見た。