「萱森さん、お疲れ。助かったよ。完璧に出来ていたよ。田辺がチェックしながら、おお！と叫んでた。ありがとう。また何かあったら頼むからよろしくな」


「はい」


「藤沢くん。萱森さんをお願いね。この子、頑張り屋さんだから、疲れないようたまに気を使ってあげてね」


榎本さんが私の頭を撫でる。まだまだ未熟者だし、榎本さんから見たら頼りない子供なんだろうな。撫でられて、何だか気恥ずかしくなる。


「分かってますよ。研修の時から比べるとだいぶ成長したものな。かなりしっかりしてきたし、これからが楽しみだ。これからも頑張れよ」


「はい。あの…」


榎本さんに続いて、藤沢さんまでもが頭を撫でてきた。子供扱いなのかもしれないけど、これは…反応に困る。

「ん？」


「藤沢さーん、プリントアウト、終わりましたよ。って、何で葵を触っているんですか？ダメですよ！」