拓真の束縛に困っていると言うものの、里沙は嫌だと一度も言わない。束縛は愛されている証拠だから…と少し照れながら話していた。きっと良い関係が出来ているのだと思う。

拓真から連絡が来たということは、そろそろ帰ってこいということかな?買い物もひと通り終わっているから帰るにはちょうどいいタイミングだ。


「お兄ちゃんたちはまだ帰らないの?このあと、二次会とかあるの?」


「いや、俺たちは二次会不参加組だから、適当に解散するよ。葵はもう帰るのか?」


「うん。多分里沙が帰ると思うから、一緒に帰る。先に帰ってるね」


私は残っていたミルクティーを胃袋に流し込んだ。冷めていたから少し胃が冷えた。里沙のカップは既に空だった。


「葵、ごめん。私、帰るわ」


「うん、そうだと思った。私も帰るから、一緒に行こう」


荷物と伝票を持つ。


「葵、それ貸して。一緒に払っておくから」