「そうですよ。勘違いですよ」


余計なことは話さないようにして、食べることに集中させた。ほんのり生姜の味がする唐揚げ、美味しい。しかし、なかなか食べることに集中させてはもらえないらしい。

榎本さんがまた動揺するようなことを話す。


「でもね、誤解されないように気を付けてね」


「え?誤解ですか?」


特別仲良く話してもいないし、必要以上に近付いてもいないから誤解されるようなことは何もないと思っている。


「うん。排除されないように気を付けるのよ」


「排除される?え?誰にですか?」


教育係と仲良くすると異動させられることがあるのだろうか…榎本さんの言っている意味が全く理解出来ない。

榎本さんはまたテーブル中央に顔を寄せたから、私も合わせる。誰がなんのために排除するのだろう?


「小島さんよ。あの人、容赦ないから本当に気を付けて」