「萱森さんの教育係も一応俺になったけど、しばらくは榎本さんに教えてもらって。席も榎本さんの隣だから」


「はい、分かりました」


「俺の席はどこですか？俺もこの辺がいいです」


田辺くんが、私のデスク辺りを指差す。


「あほ。お前は俺の隣だから、あっちだ。ほら、あそこの上がきれいなデスクだから、先に行っとけ」


「えー、ちゃんと案内してくださいよ。一人でいくなんて…」


ぶつぶつ文句を言いながらも田辺くんは言われた席に向かっていく。


「クスッ。面白い子ね。萱森さんもそこ、座っていいわよ」


「はい」


「じゃ、榎本さん。お願いします。後でマニュアルとか持ってきますから」


藤沢さんは榎本さんにいくつか資料を渡して、田辺くんのもとへ行った。


「さてと、まずどうして突然ここに来てもらったのか話そうか」


「はい、お願いします」


疑問が解決しないと次に進めない。