「お兄ちゃん!見捨てないでね?」


「は?あはは。また、唐突だな。葵はいろいろ考えすぎるんだよ。いろんな方向から物事を見えるのはいいことだけど、全然違うことを言っちゃいけない。気を付けろよ」


お兄ちゃんはいつも私の悪いところを全否定しない。悪いところを良い方向に生かせるように考えてくれる。お兄ちゃんに話すと心が落ち着く。


「渉ー。ご飯食べる?」


「ああ、うん」


「お母さん、手伝うよ」


「あら、珍しい」


たいした仕事をしてないのに、疲れたなんて言えない。たまには動こう。お母さんが全部作ってくれてるから、手伝うのは運ぶくらいだけど。


「はい。お兄ちゃん」


「サンキュー」


お母さんに渡されたものを運ぶだけのとても簡単なお手伝いだ。


「とりあえず、明日はちゃんと人の話を聞いて、言われた通りにやることだな。分からないことはすぐに聞いて、教えてもらえよ」


「うん、分かった。頑張るね」


「あはは。明日の報告も楽しみにしてるからな」