「運命?葵みたいにロマンチックなことを思ったことはないけど、運命と言えば、運命だと思う。同じ大学なんだけど、出会ったところはバイトしていた塾なんだ。でも、同じ大学ということを知らなくて、1ヶ月くらい経ったときに偶然、学食の食券売り場の前後に並んでびっくりしたんだよ」


「うわー、すごい。そういう偶然も運命っぽいね。すごいよ」


友香は表示した画面を閉じて、テーブルの上に置く。


「クスッ。やっぱり葵ならそういう解釈すると思った」


「だって、それがきっかけで付き合い始めたんでしょ?絶対運命の人だってばー」


「んー、でもね、すぐじゃなかったよ。私だって、さすがにすぐ言ったわけじゃないし」


どんなふうにして、始まったのか興味津々の私は身を乗り出して、続きの話をせがんだ。友だちの恋バナを聞くのは楽しいし、今後の参考になるかもしれないから。

友香は少しはにかみながら話してくれた。私は、最後のピザを頬張りながら聞く。