「で、葵は何が話したいの?何でも聞くよ」


「あのね、藤沢さんのことなんだけどね。実はね…」


沖縄で出会った時から話した。入社してからのことは友香も知っているけど、知らないであろう私の想いを話す。藤沢さんを知っている誰かに話したかった。話すには友香しかいないけど。


「へー。そんな出会いをしてたんだ。滅多にない偶然だね」


「うん。再会して、偶然というよりも運命なんじゃないかと思ったんだけど」


「彼女いるものね。いなければ運命だから、頑張れ!って言えるんだけど」


やっぱり応援してもらえる恋ではないみたい。


「諦めるべきだと分かっているんだけど、なかなか難しくて…」


想いを消すのに苦戦している。一度芽生えてしまった想いを消すのがこんなに難しいとは…。

友香は半分ほどあったビールを飲み干して、お代わりを通りかかった店員に頼んだ。