藤沢さんは私の隣に立って見ていたのに、すぐに見つけた。たまたま目に入ったのかもしれないけど、びっくりだ。

持って帰りたいな。でも、人の家の庭にあるものだ。手に取ってみたけど、抜くことが出来ない。


「萱森さん、良かったら持って帰ってもいいわよ。あ、ちょっと待ってて」


奥さんは裏に走って行った。。階段を上がる音が聞こえてくる。「相の森」は２階が自宅になっている。マスター夫婦は子供がいなくて、二人暮らしだそうだ。

「24時間ずっと一緒にいるのは疲れるのよ」なんて言っていたけど、羨ましいくらい仲の良い夫婦だ。


「これ！これに入れて持って帰るといいわよ。はい！」

カードサイズのクリアーファイルを持ってきてくれた。抜いたら、すぐにくたっとなった四ツ葉のクローバーを入れる。きれいなままで持って帰れそうだ。


「ありがとうございます！嬉しいです」


「良かったな」


「はい」