少し厚めのパンフレットをテーブルの上に出した。藤沢さんのカバンの中にはもう1つ同じものが入っている。

何で2つも?と思ったけど、こういうことも想定していたのかもしれない。


「ありがとうございます。検討させてもらうよ」


「そちらの要望や予算もあると思いますので、すぐに話が出来るようにしますね」


藤沢さんはその場で包装会社の担当者に電話をして、マスターに変わった、

後日、担当者が「相の森」に商談に来ることになる。


「ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」


「ありがとうございました。ごちそうさまでした」


私たちは挨拶をして、「相の森」を出る。


「あ、萱森さん。これ、お土産よ。マドレーヌなんだけど、おうちの人と食べてね」


「わあ、ありがとうございます!」


あれ?私だけがもらっていいのかな?藤沢さんに渡すものはないらしい。