藤沢さんが握っていた手を離して、その手で頬を撫でる。

「え…何で?」


どうして撫でてきたのか分からない。


「葵はさ、そんなに大したことなくてもすぐに反省するよね。素直でかわいいから、つい撫でたくなるんだよね。会社では我慢しているけど」


「なんか…子供扱いしてません?」


かわいいと言われるのは悪い気分ではない。むしろ嬉しいけど、撫でられるのは、子供みたいで、ちょっと拗ねたくなる。


ムギュウ


「いたっ…」


「ははっ、拗ねる顔もかわいいだけどな」


撫でたあとに、鼻をつまむ?しかも笑っていて、なんかまたまた楽しそうだ。おもちゃのように扱われている気がしてきた。


「何なんですか?」


「葵に睨まれても怖くないよ。子供だなんて思ってない。立派な大人だよ。ちゃんと仕事も出来るし、信頼してる。いろいろ気が利くから、助かっているしね。いつもありがとう」


「え?いえ、そんな…」