藤沢さんが別れたことも多分お兄ちゃんに話すだろうから、こっちも話していいよね?


「お兄ちゃん、彼女と別れましたよ」


「え?別れたの?何で?」


「えっと、彼女が他の人と結婚することになったみたいで、一応振られたのかな」


やっぱりお兄ちゃんが振られたことになるよね?彼女が浮気をした結果だろうけど、お兄ちゃんを選ばなかったわけだし。


「ふーん、そうか」


焼かれたばかりのねぎまを口に入れる。


「うん、うまい!」


「うん。美味しいですね」


慣れ親しんだ味だけど、飽きなくていつ食べても美味しい。それに、ここはいつも和やかな雰囲気で落ち着く。そういえば、今夜お兄ちゃんが来ることはないよね?

今週、お酒の匂いをさせて帰ってきていないと思う。だから、もしかして…今夜来る?


「店長、うちのお兄ちゃん、今週は来ました?」


「んー、今週はどうだったかな?ミカちゃーん。渉くん、来ていたっけ?」


「多分来てないです。でも、大体木曜か金曜に来てますから、今日辺り来るじゃないでしょうか?」