え?それはどういったお誘いと受けとれば…


「お断りします」

答えたのは私ではなく藤沢さんだった。


「何で藤沢が断るんだ?関係ないよな?萱森さんに聞いてるんだけど」


「うちの萱森を食べられては困りますので」


「た、食べる?わ、私を?」


伊藤さんはそんな怖い人なの?さすがに食べられたくはない。


「藤沢、随分な言い方だな」


目付きの悪い顔で睨まれると震えるほど怖いけど、藤沢さんは全然動じてない。


「伊藤さんの手の早いことは有名ですからね。萱森さん、用は済んだから戻ろう。では、決まりましたら、連絡ください。よろしくお願いします」


藤沢さんに手首を掴まれ、立たされる。


「ふうん、藤沢のお気に入りなんだ。あの娘に睨まれないように気を付けなよ」


背後から聞こえた声に私は振り向いた。伊藤さんが不敵な笑みを浮かべている。


「気にしなくていいから」