「今日はありがとうございました。パッケージが決まりましたら、また連絡をいたしますのでよろしくお願いします」


「うん、よろしく頼むよ」


小島社長の決定は早かった。ああいう人は、インスピレーションで決めてしまうのだろうな。

来たと思ったら、15分後には応接室から出てきて、販売課にやって来た。パッケージ用のサンプルを藤沢さんが渡そうとしたけど、一任すると受け取らないで帰っていく。

中身が大事でパッケージにはこだわりがないらしい。うちと「相の森」で決めることになった。


「萱森さん、ちょっと企画課に行くから一緒に来てくれる?」


「はい」


藤沢さんさんに呼ばれて、決定した菓子箱を持って企画課へ行く。

企画課は私が最初、配属になるはずだった課だ。たまに用があって来るけど、販売課と違う雰囲気がある。販売課は来客や電話が多いので、賑やかというか活気がある。

企画課は静かに仕事をしている人が多く、話し声さえもあまり聞こえない。