「相の森」から、予定の日にバウンドケーキのサンプルが入った箱が届いた。


「藤沢さーん、届きましたよ。どこに置きますか?」


宅配業者から受け取った田辺くんが段ボール箱を持って、藤沢さんのもとに行く。


「第一応接室に持っていって。午後から小島社長が来るから」


「了解でーす」


「おお、来たんだね。早速見てみようかな」


志田課長がニコニコしながら、田辺くんと一緒に出ていった。小島社長が来社するからと朝から気合いが入ってる。分かりやすい人だ。

私もどんな風に出来上がったのか見てみたい。行ってみようかな。


「お、萱森さんも行く?じゃ、これを持っていってくれる?俺もあとから行くから」


「はい」


藤沢さんに渡されたファイルを持って、応接室に行く。


「失礼します」


「萱森さんもやっぱり気になるよね。あそこのケーキ、美味しかったでしょ?」


「はい」


軽井沢から帰ってから、私は全然関わっていないけど、進行状況は田辺くんが教えてくれた。