「はあ、小島社長って、すごい人ですね。感心しましたよ。それにしても、志田課長!まるで別人のように動くから、びっくりですね。なあ、葵も思ったでしょ?」


「うん、志田課長もやるときはやるんだね」


もっと志田課長を信頼しようと思った瞬間だった。


「葵ー、一緒に食べよう」


「友香!もうそんな時間?」


友香は受付なので、交替で昼休みを取っている。だから、時間が同じになるのは月に半分くらいだ。友香は基本お弁当持参だけど、社食派の私に付き合って食堂に行ってくれる。

私は栄養バランスの良い日替わり定食が気に入っている。今日のおかずはサバの味噌煮か。うん、午後から頭を働かせるのに良さそう。


「ねえ、さっき来た小島社長って、小島さんのお父さんだってね」


「うん。今、うちの社長とご飯食べているはずだよ」


友香は受付の先輩から情報を得たらしい。


「そうそう、二人は学生時代からの友人らしいよ。だから、あの人はコネ入社だし、VIP待遇らしいわよ。社会勉強として働いてるなんて、良いご身分よねー」