「ふふっ。すごいでしょ?実は、やれば出来るんですよ」


あ、しまった。つい、お兄ちゃんに話すような目をしてしまった。褒めてーという目を…。


「すごい、すごい。さすがだね」


「あ、あの…ごめんなさい」


藤沢さんが褒めながら、また頭を撫でて来た。本日2回目だ。自分の取ってしまった行動に今更ながら反省したい。


「何で謝るの?何も間違ってないよ」


藤沢さんは手を私の頭に置いたままで、不思議な顔をして、下向き加減になっていた私の顔を覗き込んできた。

わわ…、近い。


「つい、褒めてもらおうとして…ごめんなさい」


「ああ、俺もつい…だな。褒めてって、目をしてたから。クスッ。俺も妹がいるだろ?妹もそういう目をしたことがあってさ、そういう時は褒めてあげてたんだよな」


「そ、そうですよね!私もお兄ちゃんに褒めてもらいたい時、ねだることが多くて…うわ、恥ずかしいです」