藤沢さんは自分の入力を早く終わらせようと止めていた手を再び動かす。


「先に行ってましょうか?」


「ん?そうか?じゃあ、悪いけど、ここに書いてあるのを探しておいてくれる?」


「分かりました」


メモ用紙にいくつかのアルファベットと番号が書かれていた。それを持って、資料室に向かう。

資料室の中は熟知した。榎本さんに探すコツも教えてもらったから、バッチリである。資料探しのプロになれるかも。手際よく次々と資料を出していく。


「あれ?もうほとんど終わり?早いね」


「あ、お疲れさまです。これで最後です。合っているか確認してください」


最後のカタログを出して、段ボール箱に入れた。藤沢さんが一つ一つを確認していく。


「おお、完璧じゃん、すごいな。驚いた」


私がここまで早く出来るとは思ってなかったらしい。コツさえ掴めば、何でも出来るようになれるのである。