「クスッ。やっぱりあの二人はおもしろいコンビね。あれが見れなくなるのも寂しいわー」


確かに二人のやり取りはおもしろい。特に田辺くんが必死になる様子がおかしくて、笑える。


「藤沢さん、終わりました。何をしたらいいですか?」


「ああ、悪い。おい、田辺。どいて」


「ええ?俺、まだ出来ますよ」


終業時間まであと10分あった。早く来過ぎてしまったかな?入力しているのに、どかされる田辺くんが申し訳ないくらい不憫だ。


「もういいよ。萱森さんに代わって。お前は、これを10部コピーしてきて。それ終わったら、あがっていいから」


「はいはい、分かりましたよ。もう俺は用なしですね」


田辺くんは渋々渡されたプリント3枚を持って、コピー室へ行く。私は田辺くんの代わりに座った。


「まず、その続きを入力してくれる?」


「はい」


田辺くんが入力していた続きを打ち込む。このくらいならあと10分もあれば終わる。チラッと藤沢さんを見ると別の入力をしていた。