ブザーが鳴って2回戦終了

よし


「芽衣子、昼飯か?」

「だね」


その前に「便所いってくる」


次に勝てば、あとは楽勝。優勝できる
3回戦が勝負



便所に行く途中で「あの」と声をかけられた

………誰だ


「よかったら、受け取ってください」

は?


俺の中学の制服だ。同じ学校か

「作ったんです」


目の前には弁当箱

「いらない」



すると、パコっと蓋を開けて

「一口だけでもお願いします」



うえぇぇぇ

超、まずそう


「コレは何?」と指をさした

「唐揚げです」


嘘だ。俺の知ってる唐揚げはこんなんじゃない

まったく食う気にはなれんが、興味本位でその唐揚げとやらをつまんでみた


テカテカしてる

指をはなしたら手に油がベットリ


おえっ



「俺、芽衣子のしか食わない」

「え?誰ですか?」


そうだ。いいこと思いついた

「バスケ部の元副部長知ってるか?」

「あ、はい」


「君のこと、かわいいって言ってたからこの弁当あげたらきっと喜ぶ」

「本当ですか?」


「だから、あげるといい」

「はいっ」



けけけ。あの弁当を食って腹を壊してしまえ