「あの時の慎吾の慌ててぶりがおかしくて」

………

「結局、あの時は、はぐらかせられたけどSなの?」

「……さあな」


あんまり深く聞くな

「ねーどっち?」

………

「ねえってば」

………

「教えてよー」


グイっと芽衣子の両手を掴んだ

「へ?」


そのまま公園の木に寄っ掛かるようにして

芽衣子の両手を頭の上に持っていって押さえる


「キスして欲しい?」

「え?」



「慎吾、ここ公園だよ!?」

「問題ない」



「芽衣子が悪い」

「なんで?」


だって


「俺、あれから芽衣子に手出さないようにしてたのに」

「……」


―チュッ


「芽衣子の、せい」


―チュッ


「芽衣子も、したかっただろ?」


―チュッ


「な、したかったって言えよ」


―チュッ




―ん?

「芽衣子?」


やっば


「悪い。やりすぎた」


泣かせた


また、やり過ぎてしまった


「違うよ」

「…何が?」


「ドキドキしすぎて涙出た」

なんだそりゃ


「ドン引きしたんじゃなくて?」

「大丈夫!全然オッケー」


あ、そう


「なら、よかった」