はじまりはあの時から。

「らら?」


やっぱり…


てか、顔近すぎるやばい…



なぜか心臓がドキドキしている



「ごめん!

すぐに顔あげるから!」



私は焦って顔をあげようとした




すると魁斗は私の頭を軽く押さえて、それを防いだ。



「らら、付き合って」



ほらまたこうやって私をからかう



もう何度も言われてきた




いい加減やめてくれたっていいのに。



「もう冗談やめてよ


魁斗と付き合いたい女の子いっぱいいるんだから、私にわざわざかまわなくたって…」



「こんなけ言っても冗談だと思ってんの?



俺はらら以外ありえない


俺はらら以外の女に興味ないから。」



私の言葉をさえぎるかのように魁斗がそんなことを言った。



そんなの本気なんて思えるわけないじゃん…



なにも言わない私に魁斗は続けて



「俺さ、中学の時からテストで5位以内にはいったことないんだ



だから、俺が1位とったら付き合って。」







「本気なの?」


本当に私のこと好きか知りたい。


「何回も言ってるだろ?



俺はららにまじだから。」





「テストのこと、考えとく。」




「絶対1位とってやるから。



お前のためにがんばるから」




こんなこと普通ありえると思う?



こんないけめんな人が私なんかを好きなんて言うと思う?



けど、こんなに真剣な目みたら…












魁斗が私のこと好きなんだって思ってしまう。。

それからは…


「じゃあ勉強はじめよっか。


らら、わかんねーとこどこ?」


「ここだよ。」



こんな感じで、普通に接してくれた。


数時間後。


「そろそろ時間だね!


明日、補習にならないようにがんばるから!」



私がそう言うと魁斗は


「俺はららのためにがんばる」



そう言って、図書室を出て行ってしまった。




おかしい。


なぜかって?















どうしようもないくらいドキドキしてるから…
…いよいよテスト当日です


「はい、はじめ」



担任の合図と同時に私は問題集を開いた。


今の時間は数学のテスト



…あ、この問題魁斗に教えてもらったところだ



あ、これも。



いくつもわかる問題があった。



やった、とける!


たくさん問題とけたな…



「やめ。答案用紙を回収していく」





そう言って担任が答案用紙を集めて言った



はあ、つかれた。


けど、試験の時よりも、いっぱい問題が解けた気がする。


そんなことを考えていると真夏が私のところに来た




「ららー


問題わかったー?

私わからないとこ多すぎたよ…」



そう言って、どんよりした表情になる真夏。



「私もだよ…


魁斗に教えてもらったとこ以外ほとんどわからなかったー…」



「よかったね!


真島くんのおかげじゃん!」


「結果がでてからの話だけどね」



私は苦笑いした。




本当に魁斗には感謝してる



1位なんて、本気で言ってるのかな?



けど、本当に1位とったらどうしよう。

〜キーンコーンカーンコーン〜



「あ、チャイムなったから、私戻るね!」



そう言って真夏は自分の席に戻っていった。




この高校は1日で5教科のテストを終わらせる学校だから、まだ、国語、理科、社会、英語のテストが残っている。



よし!がんばろ!




私は自分に言い聞かせて、残りのテストをがんばった
…見事テストもおわり…



今日は結果発表です。


「…んー、無理だと思うんだけどな。」



私がそうつぶやくと真夏が横に来て


「え?なにがなにが!」


真夏が興味津々にきいてくる。



「えっと、なにもないよ…」


「ちょっとー、ららが嘘ついてるなんてすぐわかるんだから。


ほら、正直に白状しなさーい」


はあ…



やっぱり真夏にはばれるな。





「あのね…」



私は今までの出来事を話した。



本気で好きって言ってくれてること。


テストが1位になったら、付き合ってほしいということとかを話した
「わー


真島くんがんばるねー


そうとうららに惚れ込んでるね」





「けど、性格とか知らないんだよ?



なのに付き合っていいと思う?!



だめだよそんなの」




「そんなの簡単じゃん



これから知っていけばいいじゃん」



う…



けど、魁斗は私のどこに惚れたの?



性格だって、強がってばっか。




この童顏の私のどこに?




「あーもう!


わかんないよー。


どーしよー真夏ー!」




「ははは


そんなに考えることないよ



あとはららが決めないとね。


ほら!テスト結果みにいこ!」


ららは少し笑ってそんなことを言った
この高校はテスト結果が一階の職員室前にはりだされる。



真夏と一緒に一階まで降りる



「やっとついたね


らら、今回がんばってたから、きっと大丈夫だよ!」




「うん、ありがと!」



私はテスト結果をみて、一瞬固まる



だって。






私、84位…!




みんなにとったら低いほうかもしれないけど、100位以内に入れたことはすごい!



まあそれは別によかったんだけど…






















1位、真島魁斗…