はじまりはあの時から。

「本当にどうしよう。


やばいよね…」



もう、赤点になることほぼ確定だよ…



「真島くんに教えてもらったら?


真島くん大分頭いいって噂だよ?」



ん。。。?



魁斗が?


頭いい?




初耳だよ…



「いや、けど、教えて下さいとか頼めないし…」



「そこで誘わないと、らら夏休みの補習決定だよー?


絶対教えてもらったほうがいいって」
…んん。


確かにそうかもしれない。


けどね?けどだよ?


私が可愛く勉強教えてくださーい♡


なんて言えると思う?



無理に決まってる。



いや、けど、夏休みの補習だけは…





んーんー……



よし、きめた




「私、魁斗に教えてもらう!」



「よし!


らら!がんばれ!」



真夏は優しく応援してくれた
放課後。




えっと魁斗のクラスはE組だから…




ここだ!




魁斗のクラスの前に立つ。



もうこっちのクラスもHRがおわったようだ。



あ、魁斗帰っちゃったかも。



E組を覗いても、魁斗のすがたは見当たらなかった



はあ…



仕方ない。



もう夏休みに補習だな。



そう思って、帰ろうとした時



「あ、らら


なに?俺に会いに来てくれたの?」



笑ってそう言ってくる魁斗がいた。




もうここはちゃんと言わないと。


「そうだよ」



「え?」



魁斗は予想外の答えが返ってきたからか、まぬけな顔をしていた。



よし。ちゃんと言おう






























「あのね、魁斗に勉強教えてもらいたいの。



ダメかな…?」
一瞬自分の耳を疑った


だって、あのららが俺に勉強を教えてくれって言ってるんだぞ?



普通ありえるか?



けど、目の前には本物のららがいる



今、俺の心は最高に舞い上がっている



ここは男らしく…



「おう


じゃあ今から図書室いこーぜ」



とららに言った。



ららは頬をほんのり赤くして、とても嬉しそうな表情をした。




やべ。




まじでかわいい




この顔他の奴に見せたくねー



まだ自分の女じゃないんだけどな。



「うん、ありがと」


そう言ってららは俺の後ろにちょこちょこついてくる



こうやっていつも俺のそばにいてくれたらいいのに。




俺、本当にららに惚れてるな。



職員室にいき、図書室の鍵を借りて、図書室にむかった




この学校には図書室が二つあり、一つはよく使われているのだが、もう一つの図書室は、古い本が多く、滅多に使われない。




だから、そこを勉強場所に選んだ。



二人っきりになれるから…




図書室に入ると、ららははいってすぐの椅子にすわった。


俺はららの向かい側に向かう




で、どうしてららは俺なんかに勉強を教えてもらいに来たんだ?



「なあ、らら



なんで俺に勉強教えて欲しいって言いに来たんだ?」



「あー、真夏が魁斗のこと頭いいって言ってたから、補習で夏休みつぶしたくないし、いいかなと思って」



真夏ってやつは、多分ららの友達。



確かに勉強は嫌いじゃないから、がんばってきて、結構できる方だと思う。




今まで勉強がんばってきて本当によかったなって思えた。
「そっか


じゃあ始めるか。


ららはなんの教科が特に苦手なんだ?」



「数学。


それ以外は、なんとかなると思うから、数学を教えて欲しい。」



…よかった


俺は英語が苦手だから、数学でよかった





「じゃあはじめるか。


今やってる問題集のわからないとこどこだ?」




俺がそう言うと、ららは問題集をだし、 ペラペラとページをめくりはじめた



「…ここ」



そこの問題か。



俺は、ららに計算の仕方をゆっくりわかりやすく教えた



そして説明をおえると、ららは問題を解き始めた。










数分後



「できたよ。あってるかな?」



ららは問題集を俺に差し出した



おー、あってる



よかった…



「うん、あってる。


じゃあ次の問題もやっていこーぜ」



俺がそう言うと、ららは次々とわからない問題を聞いてきた




俺はそれにゆっくり説明して、ららの役に立てるようにがんばった