「名前…名前教えてください!」
「魁斗。」
「ありがとうございます!」
私が深く頭を下げて、あげた頃にはその男の人はいなくて…
次会えた時にお礼が言えたらいいな
なんておもっていたこともあったっけな
「やっと思い出したか。
俺はお前だってすぐにわかったのに」
あはは
私は少し笑って見せた。
いや待って。その人黒髪だったよ?
けど、今目の前にいる人って、金髪だよね?
うーん
「あの、あなたは魁斗さんですよね?」
「んー、そーだけど
あと、これから呼び捨てで呼べよ」
「いや、無理ですね。」
「呼ばないとどうなるかわかるよな?」
「はい、わかりました、魁斗」
なんなんだこの人は
で、本題に戻るけど
「その髪どうしたんですか?
私と会った時、黒髪でしたよね?」
「あー、そめた」
あー。
そう考えれば簡単なことだったな。
「まあどうでもいいんですけど
もう今後一切私に話しかけないでくださいね?」
「なんで?」
「なにかと面倒ですから。
あなた、顔だけでもてますから
めんどくさいんですよ」
魁…斗のせいで高校生活がめちゃくちゃになるのはごめんだ
「じゃあ今度こそさようなら」
「それは無理。」
「は?」
いやいやいやいや
無理って言われても、こっちが無理です
「いや、確かに見た目はチャラいかもしれねえけど、俺はお前が好きだから」
っ……
真っ直ぐな目でそんなことをいわれた私は言葉がでてこない
チャラい人は本当にだめ。
本当に昔から苦手なんだ。
「まあまあそんなに焦んなって
ま、好きだから」
そういって、魁斗はフッと勝ち誇ったように笑った
本当にバカにしないでほしい
こんなにからかうことないじゃん
「いい加減からかうのやめてください
本当に迷惑です」
どうしてよりによって私をターゲットにしたのかわからない。
すると魁斗は私の髪をしゅるっとすくい上げて、髪にキスを落とした
なに。なんなの?
なぜか心臓がドキドキしている
こんな経験はじめてだから。
「俺は、お前に本気だから。
お前が笑顔でハンカチ拾った俺にお礼言った時、こいつのそばにずっといれたらいいのになって思った
マジだから俺。
絶対俺のこと好きにさせてやる。
覚悟しとけよ、らら」
はじめて名前で呼ばれたことと、その真っ直ぐな目に思わず胸が高鳴った
「じゃーな」
そう言って魁斗は帰っていった
どうやら私は
とんでもない人と関わってしまったようです
〜魁斗side〜
俺の名前は真島魁斗
自分でゆうのもなんだけど、結構モテる
けど、女なんて、全く興味がない。
女なんて所詮裏切る生き物なのに、どうしてみんな信じて恋なんかしてるんだろうと思っていた
けど、俺のそんな考えを変える女が現れた
これは高校受験の日。
朝早くに目が覚めたから、はやめに試験会場にむかった
試験会場がある駅に着き、少し歩いていると、地面にピンク色のハンカチが落ちていることに気がついた
だれのやつだ?
そう思って前を見てみると、前に一人の女がいた
このハンカチこいつのやつだな
と思った俺は
女に
「落としましたよ」
とハンカチを差し出すと
振り返った女はこう言った
「あ、ありがとうございます!」
ただ、当たり前の言葉なのに、この太陽のような笑顔に…
惚れた。
俺は、自分の顔の体温が徐々に上がっていっていることに気づき、慌ててその場を立ち去ろうとした
その時
「名前…名前教えてください!」
あいつの声が聞こえた
俺は振り返らずに
「魁斗。」
そう答えると、そいつは
「ありがとうございます!」
そう言った。
こんな理由で人を好きになるなんて思いもしなかった。
けど、俺はこいつに一目惚れした。
こいつになら、裏切られても後悔しないとまで思えた。
俺の恋に対しての暗い心を照らしてくれた太陽のような笑顔の女を本気で守りたいと思った