はじまりはあの時から。

俺とららの分のアイスを買ってららの元に戻る



しかし、そこには知らない男と楽しそうに話しているららがいた



…誰だよ…





「らら、こいつ誰?」



俺はこみあげる怒りを抑えながら、ららに聞いてみる




「あ、おかえり!魁斗


えっと、これは隼人だよ」



隼人って誰だよ




「だから、誰だって聞いてんだよ」



「あ、ごめん



私の弟だよ」




………弟?



「初めまして



姉ちゃんがいつもお世話になってます」




ららに続いてららの弟が挨拶をしてきた



うわ、俺だせえな。



「ごめんな


またゆっくり今度話しような」


俺はららの弟にそう言って、ららとその場を離れた




「はい!さようなら」



礼儀正しい弟だな。




「えっと、らら、ごめん」



ららにちょっとキレ気味になってしまったからな



「いやいや!全然大丈夫だよ!



だって…あれやきもちでしょ?」





笑顔で聞いてくるらら。




「そーだよ、悪いかよ…」



俺は目線をそらしてららに言う



「全然!


嬉しかったよ!ありがと!魁斗。」



「おう」



それから、コーヒーカップ、メリーゴーランド、ウォータースライダーとか、いろいろな乗り物に乗った





夜になった。




やっぱり最後は観覧車だな。




ららの手を引き観覧車に乗る
「今日は楽しかったね!



ありがとう!」




「俺も楽しかった





また来ような?」




「もちろん!」




…そろそろ頂上だな




「なあ、らら、目つぶって、10数えて」




「え?わかった」



「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅーう、じゅ…




10の掛け声とともにららの唇に自分の唇を重ねた。



唇を離せば、真っ赤な顔のらら。




「か、か、魁斗


びっくりするじゃん」



照れを隠すかのように俯むくらら



かわいいやつ





観覧車をおりた俺たちは、遊園地をでて、駅に向かった





「魁ちゃん!」



駅に向かう途中聞こえたそんな声。


俺のことそんな呼び方するやつ一人しかいない。




「麻友。」




「魁ちゃん!久しぶりだね!



…彼女さんも…」



明らかにひきつり笑顔の麻友。




麻友がしたこと、俺は許さない



「お前、ららに何言ってんだよ



お前のせいでららがどれだけ傷つくかわかんねえのかよ?」



そう言って麻友に怒鳴る



「だって、魁ちゃんのこと好きなんだもん…




出会って少ししかたってないのに、魁ちゃんの彼女なんかになってるこの女なんか大っ嫌い」



そこで大泣きする麻友




今麻友俺のこと好きって言ったよな?



人を好きになる気持ち、俺はわかる。
だから…



「お前のしたことは許さない



けど、俺を好きになってくれてありがとう」





「うう…



好きだよっ魁ちゃん



私に恋させてくれてありがとう


彼女さんも…ごめんなさい」




そう言って、麻友は走っていった



「魁斗、ありがと」



笑顔を向けるらら



「おう」




麻友、俺のこと好きになってくれてありがとう。



けど俺はお前の気持ちに答えられない。




俺なんかよりずっといい男見つけて幸せになれよ。
…もうすぐ家についちゃうな。



家まで、後10分ぐらい



私は今日の目標をまだ達成していない…




それは、自分から魁斗にキスすること。




たまには積極的にしてみようと思うんだけど…




なかなかタイミングがわからなくて…



うーん。



もう、どうなってもいいや!



ここは大通り。



そんなところでキスしたらそりゃ目立つことは予想される







「ねえ、魁斗」




「ん?どうした…







チュッ



私は魁斗の言葉を遮るかのように、触れるだけのキスをした。




「おい、お前…」



明らかに照れている魁斗。



そんな魁斗よりも顔が赤くなっている私
周りからは


「青春ねー」


「私もあんな時期あったのかしら」




なんて声が聞こえてくる。



うう。



こんなとこでするんじゃなかった



「ららからキスされるとか、俺死にそう」



「し、死にそうって



やめてよー」



「いや、本気で嬉しいから。



またしろよ?」



そう言って顔を近づけてくる魁斗



そんなことされたら、一段と胸の高鳴りも大きくなる



「それはどうかな」



曖昧に答えた私の手を少し強く魁斗が握りしめた




私もそんな魁斗の手を握り返す



「ぜってえららと結婚するからな」



「うん、約束だよ」
いつまでも魁斗といられますように



「ねえ、魁斗」



「ん?」




「好きだよ」



「俺の方がららのこと好き。」





はじまりはあの時から。



あのハンカチを落とした時から。





私たち2人の運命は決まっていたんだと思う。




〜fin〜
はじめまして!

RINKaです!


これが初作品となっております



150ページとゆう短い小説ですが、たくさんの人に読んでいただけると嬉しいです。





さて、魁斗とららはどうでしたか?


いつでも積極的で俺様な魁斗と少し強がりな一面があるらら。



そんな二人がいつまでも幸せにいてくれることをねがいます



二人の名前の由来ですが、魁斗は、魁とゆう漢字がかっこいいなと思いました。ららは、友達の名前をお借りしました。






はじめは、魁斗は爽やか系男子、ららをもう少し気が強い女子にしようとしていたのですが、二人とも思っていたキャラと少し変わってしまいました…(笑)






しかし、最後はハッピーエンドで終わることができたので、よかったです!