「死んじゃったんだから、ユーレイってことよ。
ユーレイなんだから姿も形もナイわけ」

いつの間にか背後に来たカノジョは、言う。



「ついでに言っておくけど、
もちろんワタシとあなたの姿、誰にも見えてないから」

カノジョの言葉が、今の私の耳には入らない。






「え?!何で?!」






振り向いてみるが、私を通り越した女の人は何事もなかったかのように
スタスタと歩いている。













「どうして人がヒトを通り抜けられるワケっ?!」








一人、パニック。
頭を抱えながら、なんで?なんで?と、呟く。