時間にして、10分くらいだったと思う。




目の前にあったのは、見覚えのある場所。



そう、私が17年間育ったトコロ。




「ウチ…?」




でも―



いつもと様子が違う。








開けっぱなしの玄関。

忙しく出入りする、たくさんの人。

どうしてか、周りはみんな黒い服を着ている。





まるで…




「お通夜みたい」

と、何気なく言った私の言葉に

「みたい、じゃなくて。そうなのよ」

と、答えるカノジョ。



「…え?」

「自分の目で確かめれば、わかるから」

そう言うとカノジョは、ついてきて、と家の中へと向かった。