橋の隅っこに、ボーっと立ったまま。

どのくらい時間が経ったのだろう。





さっきまで夕暮れだったのに、いつの間にか夜の気配に変わっていた。
ポツポツと橋沿いの家に明かりが灯る。





―さっきの出来事はやっぱり夢で、カノジョは消えていた―





…なぁんてうまい話があるはずもなく、
カノジョは私の隣にちょこんと座っていた。


その姿が拗ねた子供みたいで、思わず私は

「ふふっ」

と笑ってしまった。



そんな私の表情を見てか、

「大丈夫のようね」

と、カノジョはホっと息を吐き出す。




「…?」


彼女の言葉が、何を意味するのか理解するのにしばらくかかった。