なにも言えないまま
信号が青になり先生は車を進めた


「ねぇ先生…
先生があたしを気にかけるのは、生徒だからだよね?
授業に出なかったのも、準備室に行かなかったのも謝るよ…
ちゃんとするから…
もうちゃんとするから…
あたしのことはもう心配しないで
気にしなくていいよ

こんなふうに車に乗せたりしてるの、先生の守りたい人にみられちゃったら先生怒られちゃうよ?」


あたしは精一杯の元気な声で先生に言った
でも…先生の顔は見れなかった


「教師として生徒を気にかけるのは当たり前のこと
気にかけるなって言われても気にかけるから

それに前にも言っただろ?
俺は、あいつと終わったって」