…ここが理事長室か…綺麗なドアだ
ガチャ
ドアを開けると広々とした空間全体は茶色で統一されている
歴代の理事長の写真、トロフィー、たくさんある
「理事長、こいつッスよね?転入生って」
「ああ、そうだ…この子は君たちと同じ二年A組で、そして桜咲財閥のご令嬢なので失礼のないようにな」
「あのっ…えっとそういうのはいいです、すごいのはお母様とお婆様なので…」
「そうですか…、転入試験どうでしたか?」
転入試験は、この高校に入るための試験
正直言って簡単だった
「えっと…個性的な問題が多かったです」
「やはりあなたの頭では簡単でしたか」
「あっえっと…そんな事はなかったですよ?えっと…特に最後の問題とかはどの教科もちょっと時間かかりましたし…」
「…のわりには全教科満点のパーフェクトでしたよ」
「……」
「全教科満点⁉︎あんたすげーな!」
「東雲くんはもっと勉強して下さい」
この結果は当たり前…お婆様ならそうおっしゃるでしょう
「えっと、私の教室って…」
「あぁ、桜咲さんの教室は、ちょっと待ってくださいね」
先生は何やら隣の教室へと移動した
札には放送室と書かれている
『えー、二年A組担任の矢田先生、矢田先生、20秒以内に理事長室へ 来なければ…分かりますよね?20 19 18 17 16 15 14 13 7 5 4 2バンッ「失礼します!はぁーはぁー…」
「なぁーんだもう来た…ちっ」
「舌打ちってなんですか!大体、なんで13秒から一気に7秒になるんですか!立派な反則ですよ!」
反則…?
「だってー早く矢田ちゃんに会いたかったんだもん!」
「女子みたいに言わないで下さいよ!気色悪い!」
「ガーン!き、気色悪い…矢田ちゃんのせいでもうお嫁にいけない!」
「人のせいにしないで下さいよ!それに先生はもう結婚してるでしょ!…って、あれ?その子は?」
理事長はころっと変わり
「あぁ、その子は転入生、ほら、転入試験満点のパーフェクトだった子だよ」
と答えた
「あぁ!君が!うちのクラスのバカどもに見習わせたいね!」
「…えっと…矢田先生ですか?」
「うん、でも俺の事は矢田ちゃんでいいよ!みんな呼んでるから」
「あっ、じゃあ…矢田ちゃん先生で」
「えっ?」
「ぶふっ!矢田ちゃん、こいつお嬢様って」
理事長室での会話は終わり、階段を降りて2階の二年生のフロアへ来た
「ほい、こっちが俺たちA組の教室、まぁ入ったらびっくりするんだろうな」
東雲君の最後の言葉に疑問を抱きながら先生に言われ、教室の外に立っていた
「桜咲さん、入ってきてください」
その声に導かれるように教室へと入っていく
教室に入って思った事
「えっ…」
「な?」
目の前には男の子ばかりでした
「どうして…」
「知らなかったのか?この学校、今年からだぞ?共学になったの」
「知らなかったです、お婆様もお母様も何もおっしゃってなかったので」
「…あんたの婆さんも母さんもすげーな」
「?」
私は教卓の前に立たされ
「えー、今日からお前たちのクラスメイトとなる桜咲 桃乃さんだ仲良くな」
「えっと、よろしくお願いします…」
「「めっちゃ可愛いじゃん!」」
……?
「ですよね!私もそう思います!このキーホルダー、お母様のブランドのキーホルダーなんです!わぁー同じ趣味の方がいてとっても嬉しいです」
……あれ?違ったかな…
「ド天然だなあんた」
東雲君が言った
「?天然水は好きですよ美味しいですよね?」
「……ダメだ」
よくわかりませんが、とりあえず無事転入できました
お母様、お婆様見ていらしてください、ご期待に添えます