私は残っていた他校の資料をまとめ、仕事を終えた。








「亮君!お待たせ!」








「全部終わった?」








「うん!…ところで話って?」








俺は正直、奈実に言うべきか迷った。でも、1人で苦しんでいるより、分かってくれる人がいたら安心すると思ったから。








「あのさ、奈実。お前記憶がないんじゃなくて元々そんな記憶無いんじゃないの?」








「え?どう言うこと?」








「奈実は、過去から来たんじゃないのか?」








「私もわからないの。学校の体育のとき、サッカーをしていたの。それで、ボールが頭に当たって、気を失っちゃって…目が覚めたら、亮君が高1だっていうから…。」








「そうだったんだ。」








「でも、なんで知っているの?」








「実は、過去の俺が未来の俺と話することが出来るんだ。だから…」








「ちょっと待って!どういうこと?」








「じゃあえーと、つまり、中学2年生だった時の奈実が、高校1年生の未来に来てしまったということだ。そして、今、中学2年生の奈実がこっちに来たことによって、あっちに奈実がいないと騒いでいるんだ。だけどこっちに長く入ればいるほどあっちでは、忘れられて行くんだ。後に奈実自身も消えて無くなる。」








「私が消える?ね、戻れる方法は?」








「それは俺にもわからない。だから、俺と一緒に戻れる方法を探そう!あっちの俺も探してみるって言っていたし…」








「中学2年生の亮君が今、ここに居る亮君と話ができるの?」








「おう。」








「なんかスゴイ!そんな事出来るなんて!」








「必ず戻れるはずだから一緒に探そう!」








「うん!」