「あー、やっぱお前のカラダ最高だわーっ」

彼は煙草を取り出しながら、そう言った。
あまりその煙は好きではないのだけれど、ここは彼の家なのだから、と我慢する。

私は、先ほどこの彼と、セックスした。
三度もイって、少し体は疲れてしまった。
彼は、私に近寄り、じっと顔を見つめてくる。
それから「んー」と何かを悩む顔をした。

「なー、お前って何で特定の相手作んねーの?セフレは人一倍居んのにさー」
「………何で、って」

私に聞かれても、という言葉しか浮かばない。
逆に、どうしてだろうねと彼に尋ねたくなるほどだ。

「ならさぁ、俺とかどーよ?俺も今フリーだし、俺ら結構カラダの相性良いみたいだし」
「………」

特定の相手。
正直、それに関しては何も分からない。
きっと、人を好きになったことなんてないし、ましてや、愛なんて言葉も、縁のないものだと思ってる。