百鬼のみんなと関わって分かったけど、みんな悪い人じゃなかった。
けど、私たちは敵同士だから。
仲良くはなれないだろうけど、少しの間、一緒にいれてよかった。
「じゃあね。」
ちょっとだけ悲しく感じた。
「もう窓から出んなよ。」
それだけ言うと鞄から袋を取り出して、私にめがけてそれを投げる。
袋の中身は、私から仁への誕生日プレゼントだった。
急ぎすぎて、百鬼のたまり場に忘れてたんだ……。
袋をギュッと握りしめて、バイクのもとに行く仁のもとに駆けよる。
仁の誕生日のためにバイトして買ったプレゼント。
仁の喜ぶ顔が見たい。