抱きしめられ腕からは、仁の体温がよく伝わる。


暖かくて、心地が良い。






「そういえば何で、仁はここにいたの?」






気になったので、仁に聞いてみる。






「特別な理由はないけど、ここに来たいって思っただけ。」



「会えちゃったね。」






会えると思ってなかった。


けど、ここに来たいって思った。




それは全く私と同じ理由で、なんだか嬉しくなった。





「運命かもね。」




仁には聞こえない声で囁く。




私がここにいることも、全て運命かもしれない。


仁や皆に出会えたことも、最初からずっとそうだったのかもしれない。