路地裏に入り込んで、座り込んだ。
久しぶり、こんなに走った。
もうどのくらいぶりだろ……思えば、室内にいるほうが多かった。
「早くいかなくちゃ。」
バイクで追いかけられたら、絶対に追いつかれる。
だから、気づかれてない今のうちに。
もう一度、立ち上がって路地裏を抜け出すと、見覚えのある道だった。
私が前に住んでいた町。
仁と出会った町。
隣町にしか行ってなかったんだ。
もっと、遠くまで行ったと思ってた……。
これなら一時間くらいあれば、隣町まで行けるかもしれない。
隣町までの行き方ならわかる。
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