「そういえば、仁の怪我は大丈夫なの?なんで怪我してたの?」
「怪我は大丈夫だよ。怪我してたのはね……。」
「仁には口止めされていたんだけど―――。」
由奈が話し終わると、その場から仁のもとに走り出したい衝動に駆られる。
仁がこんなにも私のために頑張っていたなんて。
「仁に皆に会いたい。」
「…私たちも由奈に会いたい。」
頭が真っ白になる。
思考回路がうまく回らない。
罪悪感と彼への気持ちがあふれる。
傍にいたい、今すぐ駆け寄って、何度も謝りたい。
そしてありがとうって、何度もうざくなるくらい言いたい。