「彼氏?」





仁さんは、私の顔を覗きながら聞いてきた。



私は、ポケットから携帯を取り出して確認した。



やっぱり、雄也さんからだった。





「は・・・はい。」




「俺が出ていい?」





ゆっくりと、頷いた。



仁さんは私の携帯をとって、電話に出た。





『おい、お前どこで何してんだよ!!』





雄也さんの怒鳴り声が、電話越しに聞こえてくる。



ビクッ



怖くて、体が揺れる。



家に戻ったら、殴られる、叩かれる、煙草を体に押し付けられるんだ。