「じゃぁ、誰が好きなの?」




「邪魔だ。」






ソファーで横になる俺の上に、ユリナがまたがってきた。



俺は聞こえるように、舌打ちをした。



それでも、ユリナは決してどこうとはしない。






「好きだよ、私は・・・ずっと。」






昔あったことを思い出す。



確か前にも、ユリナが外国に留学する直前に言われたな。



返事はあの時とは、変わらない。





「言ったろ、無理だ。」





ユリナは返事を聞くと、大きな目に涙をいっぱいに貯めて抱き着き始めた。



しがみつく様に、抱き着いてくる。



俺は盛大なため息を吐いた。



そして、しがみつくユリナを離し始めた。