保健室から出て、廊下を歩く。
少しだけ振り向く。
追いかけてきてるかな、って期待をしたけど、もちろんそんなことはなかった。
仁が私の心を支配するくせに、私は仁の心を支配することなんてできない。
好きになってよ、私の事。
お願いだから、じゃなきゃ胸が張り裂けそうで苦しんだよ。
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仁side
「白石ちゃんと、幸せに。」
そういって、由奈が保健室から出て行った。
なんだよ、何を勘違いしてんだよ。
好きでもないし、付き合ってもいない。
でもなんで、俺はうまく言えないんだろう・・・「好きだ。」って。
だけど言って、フラれるのも拒絶されるのも怖い。
それなら、いっそこんな想い無くなればいい。