「新だって、お前の事待ってるぞ。」
「なんで、新?」
悩む私に、仁は変なことを言い出す。
みんなって言うなら、分かるけど・・・なんで新の名前が出るの?
意味わからない。
「付き合ってんだろ、お前ら。」
「お似合いだもんな。」
ズンッ
何か頭に重いものが乗った気がする、それにズキズキと音をたてて胸が痛んでいく。
まるで、とげで刺されているように。
なんで、こんな勘違いをされているんだろう。
「おめでとう。」
仁のその一言で、とどめを刺された。
上手く繕っていたものが、ボロボロと壊れていく気がした。
涙が急にこぼれていく。
仁は好きじゃないもんねでも、だからそうやって勘違いするんだもんね。
だからって、仁は女心を分からなさすぎだよ。