「ナツ!お前今日入学式だろうが、いつまでもバイクいじってないで行くぞ。」




「わかってる。」




そう言い真新しい制服を着た少女は立ち上がりバイクを見下ろす。




まだここにいたい‥‥‥‥




「ナツ!」




二度目でようやくバイクから離れ奥のスペースに入っていく。




「おら、いつまでしょぼくれてんだ、行くぞ。」




小夏のしょんぼりした背中を小夏の父、幸谷[ユキヤ]が軽く叩く。




「‥‥‥コクン。」




小夏は頷くと幸也と一緒”moto”と書かれた看板のお店から出る。