その日の夕方。

誰もいない教室であたしは東城凛華の写真にありったけの悪口を書きまくった。

「ブス」

「死ね」

すごくすっきりした。

あとはこれを掲示板に貼りつけてっと。

絶対に上手くいくと思ったのに。

またもやあいつは冷静に写真の前を何食わぬ顔で通り過ぎた。

どういうことよ。

まだ足りないって言うの?

様子を見にこっそり教室へ行くと。

「凛華ちゃん!」

と悲しそうな顔の郁君がいた。

何よ。

どうしてみんなあの女の味方するの?

もうあたしは歯止めが利かなくなっていた。

だって……。

許せない、あの女。

あたしから何もかも奪っていった。

人気。

郁君。

男の子。

絶対にこの恨み……、晴らすから。


あたしがとった行動は。

放課後、誰もいないシャイニーの教室に忍び込んであいつの席から持ち物諸共持ち去る事。

そして家に帰り、ありったけの思いを込めてぐちゃぐちゃにした。

あいつの悲しむ顔を想像しながら。

ホント良い気味。

でも、心の中ではわかってた。

ここまで来たらもうやりすぎだってこと。

でももう誰もあたしを止められない。

次の日朝早く学校に来て全部放り投げておいた。

これなら誰かが必ず気付く。

そしてあいつは悲しむ。

最高のプランじゃない?

思った通り、あいつは泣きながら去っていった。

これでもう懲りたよね?

やっと今までの平穏な日々を取り戻せる。