ああ、忘れてたけど。

そういえばあたし掲示板に写真貼られて悪口書かれたんだった。

「ビアンカ、あの写真の犯人探してくれない?」

「え、いいけど。何するの?」

ふふっ。

それはね……。

「ちょっと懲らしめようと思ってさ」

「珍しいね。いつもは無視なのに」

「まあ今回はさすがにやりすぎだよねえ」

「じゃあビアンカ。よろしく頼んだから」

「任せて」

とそこで。

ガラッ

「おー遥希。やっと来たねー!」

郁君が話しかけた。

そんな郁君を無視して。

坂田遥希はあたしの席まで歩み寄ると、

「お前、大丈夫か?」

と言ってきた。

え?

あの坂田遥希があたしに気遣う言葉?

信じられないわ。

「あ、ええ、大丈夫だよ。お気遣いありがとう」

あたしは少し微笑んだ。

「ならいいけど」

それだけ言ってまた自分の席で眠り始めた。

「ちょ、ちょっと……あの坂田遥希がしゃべったよ!」

「ホント珍しいわね」

ビアンカと梨央奈は興奮気味。

その横であたしは……。

もちろん驚いていた。

普段全く話さないあいつがまさかあたしの事を心配するなんて……。

少しだけ。

ほんの少しだけ。

嬉しかった。