教室に入ると。

シーーン。

そんな効果音が出そうなくらい静まり返った教室。

みんなあんな掲示板ごときで手のひら返すんだね。

慣れたケド。

その時、騒々しくドアが開いた。

「凛華ちゃん!大丈夫?!」

郁君が私に駆け寄った。

「ああ、あの写真?」

「そうだよ!あんなこと書かれて……いいの?」

いいわけないじゃん。

「僕は凛華ちゃんがあんなことされて嫌だよ!」

え……。

そんなに怒ってくれるの?

私、ただのさらしものなのに?

不覚にも、感動した。

「あ、ありがとう、心配してくれて。だけど、大丈夫だよ」

「ううぅ。許さない、絶対に!」

郁君はすっかり犯人を捜す気でいる。

「まあ、落ち着け、郁。凛華ちゃんもそんなに気にする事ないからな」

「そうだよ!気にすんな!」

怜音君、大和君が続けて励ましてくれた。

「あ、そういえば遥希置いて来ちゃった」

「あいつなら屋上行った」

「まあた屋上か。ホント好きだね」

遥希君……。

あなたはまだ知らない事を私は知っている。

いつか私の口から伝えようと思うけど。

まだそんな時期じゃないと思うからまだ言わない。


「じゃあ授業始めるぞー!」

先生が教室に入ってきて話は終わりになった。