学校を出て向かったのは、あたし達のお気に入りのカフェ。

ここは、美味しいドーナツと美味しいロイヤルミルクティーがある。

実は、このお店、あたしのお姉ちゃんがデザインをした。

お姉ちゃんは、小さい頃から建物のデザイナーになりたかったみたいで、大学卒業と共に家を出た。

そして、その結果かなり有名なデザイナーになった。

「さぁさ!食べよ、いつもの」

「うん!今日はどのドーナツにしよっかなぁ?」

「ここのドーナツはどれも絶品だしね」

さんざん迷った挙句、あたしはミルクチョコドーナツ、ビアンカはミントドーナツ、梨央奈はプレーンドーナツに落ち着いた。

「それにしても、凜華あの席最悪だね」

「あたしだったら不登校になるかも、嫌すぎて」

「事実、今不登校になりかけてるよ…」

「なんでよりによってあのメンバーなんだろうね」

本当に最悪だ。

男子に対して何の興味もないわたし達からしたら、あのムーンボーイズはただの邪魔でしかない…。

だけどほかの女子たちは目がハートになるっていうんだから、これまた不思議。

男子なんかを好きになって、何の利益があるのよ?

何にもないじゃないね?

「まぁ優樹君も助けに来てくれそうだし?なんとかなるんじゃないの?」

「席替えするのいつかなぁ?」

「まだ始まったばっかなのにね…」

「もう気分はどん底ですから」

「まぁドーナツ食べて忘れよ!」

それからあたし達は夕方までたっぷり語り合った。