「麻虹ちゃんがそう言ってくれるなら、俺ずっとこの髪色でいようかな~」


ケイちゃんが言った途端に、キョトンとしていた野々香の顔がキッときつくなった。


「ちょっと麻虹ぉ!!さっきまでの会話聞いてた?褒めてないで注意してよ〜!」

「あ、ごめん」


野々香は顔をしかめたまま「全く……」と本日2回目の溜息を吐いた。


「てか、なんか食いに行く話どうなったんだよ」


峰が机に頬づえをついて言うと、ケイちゃんは「そうだった」と言って慌ただしく自分の席にリュックを取りに行った。


「じゃあ、みんな行こう!」


そのまま、ケイちゃんは鼻歌混じりに教室を出て行ってしまった。