あたしもケイちゃんと同じで、4人で居る時が一番落ち着くし、一番自分が笑っている気がする。

しっかり者の野々花も、お調子者のケイちゃんも、意地悪だけどちゃんと優しい峰も、あたしにとっては本当にかけがえのない存在なのだと、改めて思う。

今だって、峰はさりげなくあたしに歩幅を合わせて歩いてくれている。

こんな風に見落としてしまいそうな何気ない優しさをできることはすごいことなのだと、きっと峰自身は気付いていない。


「……誰かに彼女とか彼氏が出来たら、何か変わっちゃうのかなぁ……」


恋愛なんてあたしには無縁な話だけれど、他の3人はきっとそんなことないのだと思う。

仲のいいみんなの恋が叶うことはすごく嬉しい。
だけど、そうなったら4人で過ごす時間は少なくなってしまうんだろうか。

そう思うと、やっぱり寂しく思えてしまう。


「まあ、こんなこと言うの勝手なんだけどね」と笑いながら言うと、不意に峰が足を止めた。

あたしは数歩先で足を止めて振り返ると、峰は少し俯き気味で顔がよく見えない。


「峰?」

「じゃあもし、俺が麻虹のこと好きって言ったらどうなんの」

「……え?」