「今度、何かお礼させて」
「そんなのいいよ」
「あたしがしたいの。 わざわざ探してくれたんでしょう?」
昔は自分の周りには、アイドルが好きな子が多くて話を合わせるのに必死で、こんな風に楽しく話したりCDの貸し借りも出来ないことが多かった。
でも、高校に入ってからは峰やケイちゃんと好きなバンドが一緒だったりしたおかげで、自分の好きな話が楽しく出来るようになったことがとても嬉しい。
「じゃあ、自販のカフェラテで」
「え、それでいいの?」
「ばか、あれ美味いんだぞ」
「そうかもしれないけど」
なんだか真面目に取り合ってくれなそうな峰にあたしは少し呆れながらも笑ってしまう。
「じゃあ、あの自販機の分全部買い占めよ」と言うと、峰は笑った。
その姿を見て、あたしはどこか嬉しくなる。
「……やっぱり、落ち着くっていうの分かるかも」
「は?」
「さっき、ケイちゃんが言ってたこと」