「晴れてると、やっぱりいいな」

「うん」


こんな些細なことを何気なく共有できるのはあたしにとって峰が初めての存在で、勝手に一人で嬉しくなったりすることがある。

それを言葉にして峰に伝えてみてもいいのだけれど、なんだか恥ずかしくて未だに内緒にしている。


「そうだ、これ」


そう言って峰は背負っていたリュックからCDを取り出してあたしに渡した。


「えっ……」

「この前言ってたバンドのインディーズ時代の1stアルバム。 確か持ってたなと思って探したらあったんだ」


あたしはそれを受け取って、ジャケットをまじまじと、隅の隅までじっくりと見る。

デビューする少し前に知ってからとても好きなバンドがいて、その話を峰にしたときにほぼ無名だった頃の限定版アルバムを持っていることを教えてくれた。

しかも、もう世間には出回っていないし、フリーマーケットアプリで探してみるとその価格はなんと5万円で取り引きされているほどレアなもの。