イオが見せた、哀しそうな表情。
あたしは気になって聞いてみた。
イオは暫くあたしを見た後、何も言わず走って行ってしまった。
取り残されたあたしは、トボトボ道を歩いていた。
「あれぇ?みうちゃんだぁ」
前から聞こえた、幼い声。
「・・・みかちゃん」
「どうしたの?」
美果は手に、スーパーの袋を抱えていた。
「お使い?偉いね」
「お使いじゃないんだ・・・」
「え?」
「・・・お姉ちゃん、死んじゃったから」
「え?美那(みな)さんが?」
「うんっ・・・」
思い出したのか、美果の目が徐々に潤んでくる。
「みか?どうした?」
美果の後ろから聞こえた声。
声の主を見て、あたしは驚いた。